PEラインの取扱説明書

目次

PEラインとは

リールに巻くラインの種類はナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインと大きく分けて3種類あります。

中でもPEラインは多くのメリットがあり非常に多くの釣り人が使用しています。

PEとはポリエチレン(polyethylene)の略でプラスチックの一種です。PEラインを製造する日本の会社自体は1990年代からあったようですが、実際に釣り人に使われ始めたのは2000年頃からのようです。

もちろん私の少年時代にはありませんでした。

親子で海釣りを始めた際、使用してみましたが、様々なシーンで有利性が高く、リールに巻くラインの第一選択になっています。

そんなPEラインについて失敗談を含め紹介したいと思います。

PEラインの特徴

メリット
・直線強度はナイロンの3~4倍
・直線強度が強いためライン号数を下げる(細くする)ことができる
・ラインを細くすることができ、表面がツルツル加工されているので遠投性に優れる
・全く伸びない(伸縮性がない)ため感度が非常によい
・柔らかいため巻き癖がつかず糸ヨレがしない
デメリット
・ラインが伸びないため魚が食いついた際の違和感が大きい
・擦れに弱いため石や岩などに接触すると切れやすい
・直接スイベル等の金属へ結んだ際の結束強度が極端に落ちる

アキアジ釣りの悲劇

ここで私の失敗談を紹介します。

北海道ではサーフから狙える大人気の大型魚、アキアジ釣りを始めた頃の話です。

当時、無知な私はPEライン3号(35lb、18kg)をスイベルに直結で釣りをしていました。

初めてのアキアジ釣り、初めてのアキアジHitに大興奮。

海に引きずり込まれそうな強いファイトの末、やっと砂浜に近づきアキアジを引き上げる瞬間・・・

「パンっ!!!」

結束部からラインが切れました

(呆然)・・・

初Getと思われたアキアジとともに2,000円以上の仕掛け(1,200円のスプーン、700円の浮き、380円のタコベイト+スイベル、ウキ止め等)が吹っ飛びました。

マジか・・・

すごいショックでした。

家に帰ってからたくさん悩み、色々考え、調べたところPEラインの誤解にたどり着きました。

PEラインの誤解

PEラインはナイロンの3~4倍強度があると言われています。

素材はツルツルに加工されれており滑りやすいですが、強い摩擦系ノット(漁師結び等)を使うことでスイベルと直接結束するとが可能です。

その強い強度を活かし、PEラインとショックリーダーを結ばず、PEラインを直接スイベルに結んだ方がラインが切れにくいのではないか

PEラインとスイベル直結部(糸と金具) PEラインとショックリーダーの結束部(糸と糸)

こう考えました。

そして、この考えを実践した結果起こったのが「アキアジ釣りの悲劇」です。

直線強度と結束強度

直線強度とはPEラインを両端から引っ張った際の途中からの切れにくさという意味になります。

よほどターゲットの規格より下回る号数を使ったり、ライン劣化、傷がない限り途中から切れるのは稀です。

一方、デメリットに記載した通り、金属との結束に関しては極端に強度が低下します。

どのぐらい低下するかはPEラインのメーカーや何本撚りになっているのかにもよりますが、大体50%ぐらいは低下すると思っておいた方がよいです。

結束テストだと70~80%ぐらいの強度が出ているデータもありますが、実際の釣りではスイベルとの摩擦や魚の急な走り、サーフでは引き波等が加わると予想以上に負荷がかかり切れやすくなると思っていた方がよいです。

これがPEライン最大の誤解、強いのは直線強度であって結束強度ではないということです。

ショックリーダー

PEラインの結束強度を補うために。

また釣り上げそうになった魚にルアーごと持っていかれないように。

そしてかかった魚を確実に釣り上げるために。

そのために必要なのがショックリーダーです。

具体的には、PEラインとショックリーダーを結び、ショックリーダーとスイベルを結ぶということになります。

よって、ショックリーダーに使うラインはスイベルに結束しても強度が落ちにくいナイロンもしくはフロロカーボンを使います。

ナイロンかフロロカーボンに関しては意見が別れるところですが、私は必ずナイロンラインを使います。

理由は、PEラインは伸縮性が全くないため、少しでも伸縮性を持たせ魚がくわえた際の違和感や急に魚が走った際の負荷を軽減するためです。

また、ほどよい柔らかさでノットも組みやすく、価格も安価だからです。

岩場を攻めるような釣りの場合はフロロカーボンの方が丈夫で安心かと思いますが、私の場合は基本的にショックリーダーは2~3回の釣行で巻き替えるのであまりフロロカーボンの出番がないのが現状です。

FGノット


PEラインとショックリーダーの結束は若干手間がかかるため別の記事で紹介します。

まとめ

PEラインのデメリットに関してはショックリーダーを結束することでほとんど解消できます。

メリットが非常に多いラインですので、今後も使用する人や使う機会がどんどん増えると思います。

私と同じ悲劇を繰り返さないよう、この記事が少しでも役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人

小学生の頃から釣りをはじめ、中学生の時は往復30kmの道のりを自転車で川や海へ出かけていました。大学生時代は釣りから一度は離れてしまいましたが、結婚し、子どもが生まれ、子どもとの外遊びの一環で釣りを再開したことをきっかけに親子で釣りに行くようになりました。小型はチカから、大型では80cmを超えるサケをターゲットに親子で釣りを楽しんでいます。

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