北海道の釣りの中で圧倒的な人気を誇るのが秋の鮭釣りです。
ハイシーズンになるとどのポイントも人でいっぱいです。
特に漁港では驚くほどの釣り人がつめかけます。
漁港では掛かった鮭をそのまま引き上げることはできません。
タモはサーフでは使われることはありませんが漁港では必須です。
このタモ入れに失敗するとせっかくかかった鮭をバラす(逃がす)ことになります。
バラした時のショックは計り知れないです。
そこでタモ入れの攻略方を紹介したいと思います。
タモ(枠)はできる限り大きめ
理由は簡単です。
タモが大きい方が鮭をすくいやすいからです。
どれぐらい大きめがよいかというと、例えば、小・中・大の3 種類が販売されているタモシリーズであれば、必ず中サイズ以上をお勧めします。
基本的には大サイズの方がいいです。
タモの大きさが中と大では値段が変わらないか変わっても数百円程度です。
中が大サイズになっても釣り場で極端に邪魔になることはありません。
店で大きいと感じても鮭をすくう場面になると意外と小さく感じるものです。
タモが大きいだけですくえる確率がグッと上がります。
しっかりした柄のタモを使う
タモの柄は大きく分けて2種類あります。
一つは何継にもなっている伸縮式の一本一本が短いタイプ。
もう一つは2~3継の一本一本が長いタイプ。
伸縮式はコンパクトなので場所は取りませんが、値段が高く、継数が多いため負荷がかかると結構しなります。
基本的にはタモに鮭を誘導してすくいますのでそこまで操作性は求められませんが、どうしても操作が必要になった時、タモのコントロールがやや難しくなります。
一方、長いタイプの柄は場所を取りますが、継数が少ないため柄が太くガッシリしています。
負荷がかかってもしならずタモのコントロールがしやすいです。
価格も伸縮式より安いことが多いです。
タモの操作には枠や網の重さだけではなく、海に入れた際の水の抵抗も加わります。
特に初心者の方や慣れていない方は、一本一本が長い柄のタイプをおすすめします。
網(ネット)はナイロン製
※商品パッケージの裏側です。
網(ネット)はナイロン製とラバー製の2種類あります。
ナイロン製は網の糸が細い一般的なタイプ。
ラバー製はナイロンより網の糸が太いタイプ。
ラバー製は”魚に優しい(傷つけない)”との名目で売られていますが、ナイロン製ですくっても傷だらけになるようなことはありません。
鮭が釣れたら持ち帰る人がほとんどだと思いますが、仮にナイロン製のタモですくった鮭を海へ戻しても元気に泳いでいきます。
またラバー製は網が太いため海に入れた際の抵抗が大きくなり操作性が悪くなります。
一方、ナイロン製は価格も安く、網が細いため海に入れた際の抵抗も少ないので操作性が良いです。
“魚を傷つけない”ということは良いことではありますが、タモの操作性、価格、すくう能力を考えると圧倒的にナイロン製の方がおすすめです。
タモを使えるようにしておく
伸縮式のタモの柄であれば片手で伸ばすことができますが、2~3継ぎタイプのタモの柄は片手で伸ばすことができません。
釣り場のスペースが狭い時や伸ばした状態で置いておくことに抵抗がある人は、タモにジョイントを付けるとよいと思います。
タモの部分が柄の方に折りたたむだけでけっこうコンパクトになります。
鮭がかかってからタモを伸ばしたり、固定したりすることは非常に難しいです。
できる限りタモを使える状態にしておくとよいです。
タモ(網)をしっかり開く
鮭が手前まで寄ってきました。
タモで鮭をすくえる。
そんな時にタモ(網)が絡まっていることがあります。
✖ タモ(網)が絡んでいる
これだと鮭がタモに入らず、フックやルアーがタモに引っ掛かり、タモを近づけることで逆にバラす危険性が高くなります。
タモ(網)はしっかり鮭をすくえる状態にしてから海面に近づけてください。
〇 タモ(網)はまっすぐ
タモを海中に入れない
ウキの位置や波しぶきから何となく鮭のいる場所がわかります。
かかった鮭は早くタモですくいたくなります。
タモですくえる距離にいるとなおさらです。
ですが、鮭が見えていない状態でタモを海中に入れるのは危険です。
フックやルアーがタモにひっかかりそうになってもわかりません。
タモ入れで鮭をバラしてしまう一番の原因は、フックやルアーがタモにひっかかることです。
必ず鮭が見えている状態でタモ入れをしてください。
鮭を水面まで上げる
魚はエラを通じて水中の酸素を取り込む仕組みになっています。
魚のエラは水中での酸素交換に特化しており、空気から直接酸素を吸収することができません。
短時間でもエラ呼吸ができなくなると血液中の酸素濃度が低下し急激に弱ります。
弱らせると同時にフックがどのあたりにかかっているか確認できればベストです。
鮭がおとなしくなり、フックやルアーの位置を把握できればさらにタモ入れが成功する確率が高くなります。
スムーズにタモ入れを行う前準備として鮭を水面まで上げることは重要です。
基本的に頭からすくう
釣った人、タモの位置、鮭の泳ぎ方によって頭側からすくいにくい場面もあると思います。
鮭は前に進むことはできますが、バックはできませんので基本的には頭からすくいます。
尻尾からだと泳ぎ出すことがありますので逃げられることがあります。
ただし、尻尾からすくえそうな時は尻尾からすくっても問題ありません。
逃げられたらまたタモですくえる位置まで寄せればいいだけです。
尻尾からすくうと泳ぎ出すというデメリットとは反対に、タモにフックやルアーが絡みにくいというメリットもあります。
うちの親子は尻尾から入れることもよくあります
↓↓尻尾からタモ入れしている動画↓↓
タモ入れはフックやルアーがタモに引っかからないようにすくうことの方が大事です。
難しそうなら協力してもらう
慣れてくれば一人で竿を操作しタモ入れをすることができますが、慣れないうちは周りの人に協力してもらいましょう。
すいません、タモ入れお願いします!
これでOKです。
ですので、釣り場に入る時は少しぐらい離れていても挨拶して入りましょう。
「おはようございます。」
「こんにちは。」
狭いところに入る時は「となり大丈夫ですか?」と質問型で聞く。
そうすれば釣りもしやすいし、タモ入れを手伝ってくれるかもしれません。
ちなみにうちは親子で釣りをしますので、息子が竿持ち係、父がタモ入れ係です。
父はタモの柄を持つ時は左手が前、右手が後ろになります。
その場合は、タモが自然と左側に寄りますので、息子(竿を操作している人)の右手側に立ってタモ入れをした方が操作がスムーズです。
誰かのタモ入れをする時は立ち位置を意識することでタモ入れの難易度が少し下がります。
鮭をすくうタイミング
サーフだと砂浜に引き上げればよいのでタモは使いませんが、漁港の場合はそのまま引き上げることはできないので必ずタモ入れが必要になります。
サーフだと鮭がかかる距離が少しありますが、漁港だとかなり近い位置で鮭がかかります。
非常に元気な状態で鮭が手前に寄ってくるという状態です。
鮭が近くにいるとタモですぐすくいたくなります。
それは逆に危険な状態(バラす可能性もある)ということも理解が必要です。
鮭が近くても(近づいたとしても)鮭が右に左に、上に下に、時に飛び跳ねたりしている時にタモ入れをしてしまうとフックやルアーにタモが絡んでしまう可能性が高くなります。
タモにフックやルアーが絡んでしまうとバラす確率が一気に上がります。
タモ入れにおけるバラしてしまう一番の原因です
自分のタイミングで鮭をすくうのではなく鮭をすくえるタイミングですくう。
非常に大事なポイントです。
まとめ
タモ入れを失敗したことがないという人は少ないと思います。
タモ入れに限らず、初めてだとか、慣れないことをする時に失敗はつきものです。
誰でも最初は初心者。
慣れないことをやるのは難しい。
自分(父)も非常に渋い状況で息子が鮭をかけ、暴れる鮭を何とかタモのすくえる位置まで寄せてくれましたが、自分がタモを入れるタイミングが早すぎてバラしてしまった苦い経験があります。
自分でかけた鮭ならまだしも、息子がかけて、小さい体で何とか暴れる鮭を寄せたのに父がタモ入れを失敗してしまった。
本当に落ち込みました。
鮭がすくえる状態になるまでコントロールする
鮭がすくえる状態になってからすくう
その日の夜に息子と風呂の中で話し合いました。
苦い経験は必ず生きてきます。
苦い思い出は時間が解決します。
失敗は成功のもと。
タモ入れがんばろう。
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